シベリア鉄道に乗っていたら良質なアウトプットを生むにはインプットの質より量が大事だと気付いた話

こんにちは、松本健太郎です。
私はいま、この文章をシベリア鉄道(2等室)に揺られながら書いています。

ウラジオストクからモスクワまで6泊7日、ただ電車に揺られます。
車両の中には食堂車と寝台車以外、何もありません。

 

乗り鉄、路線鉄の私としては「なぜこの土地にロシア人は線路を敷いたのか?」を妄想するだけで1日が過ごせるので良いですが、それでも残り6日間は暇を持て余します。

ちなみに2017年9月に5年ぶり6冊目の本を出すのですが、その準備をしたりもしています。
シベリア鉄道で缶詰とかなかなか粋です。

作業も行き詰まって暇つぶしにロシア人と話しても、9割ぐらいは英語が通じないので意思疎通が図れません。これは気付きでした。私たちは普段、カタカナで英語に触れているのですね。

気付きと言えば、ロシア人は笑顔を見せないとは聞きましたが、カメラを向けると皆さん笑顔でした。当たり前か。

シベリア鉄道に乗るなら用意しておいた方が良い道具

おそらく、このブログは「シベリア鉄道」というキーワードで流入するユーザーが多いでしょうから、実際に乗ってみて「これ、あって良かった!(あったら良かったのに!)」という道具を紹介します。

これがシベリア鉄道のロシア号だ!

(1)柔らかいトイレットペーパー
シベリア鉄道のトイレ内にある備え付けの紙は、普段ウォッシュレットに慣れている私の尻を容赦なく破壊する神です。かみだけに。柔らかめのトイレットペーパーを買っておきましょう。

(2)除菌・殺菌用アルコールウェットティッシュ
普段、TOTO等の清潔感あふれるトイレに慣れた日本人は、シベリア鉄道内のトイレにおそらく軽く発狂します。除菌・殺菌ができるウェットティッシュは買っておきましょう。それで便座を拭きましょう。

(3)ファブリーズ
2等室、臭います。ちょっと汗臭い部室感。これは長年蓄積された人の体臭ではないかと推察します。呪文唱えて松岡修造を呼び出して今すぐ部屋を洗って欲しくなるレベル。これは実際に行くまでわかりませんでした。

(4)座る用のクッション
2等寝台の場合、上段・下段のベッドに分かれ、普段は下段のベッドがソファになって談笑できます。その代わり、このソファが結構硬いんですね。板よりは柔らかく、新幹線で買ったカッチカチのアイスよりは硬い。クッションはあって困りません。

2等客室。ここで雑魚寝です

(5)ゴミ袋
各車両にゴミ箱はあるのですが、各部屋にはありません。外まで出てゴミ箱に捨てに行くのは面倒なのでゴミ袋はあると便利。車掌さんが1日2回、各部屋を回ってゴミ回収に来てくれますが、その度に「ヤポンスキーはようけゴミあるな!」っぽいことを言われました。

(6)双眼鏡
車窓の97%は雄大な自然です。とくにバイカル湖〜イルクーツクあたりは圧巻。あー、これ双眼鏡あったら良かったなーと後悔しました。たまに廃墟のお城みたいなのが登場するので、廃墟フェチにはたまらんかも。

突然、こんな廃墟が登場するのです

(7)栄養補助サプリメント
食堂車はあるのですが高いです。ウラジオストク市内食堂相場の2倍くらい。なので野菜に接する機会は少ない。そうなるとフリーズドライな食品に頼らざるを得ませんが、それでもビタミン不足の心配はあります。持っていった方がいいでしょう。

食堂車で食べるボルシチ。美味しいけど高い!

(8)wifi
車中、wifiがあまり繋がらないエリアを8割通ります。なので普段、日本でやっているようなネット環境は再現できません。しかしGoogleMapなどをみながら、いまどのあたりを走っているかを知ることはできます。中国、モンゴル、カザフスタン国境沿いを走るので、それぞれ山の向こうの暮らしに想いを馳せましょう。

(9)長袖・長ズボン
常時、こうした服装でいる必要は無いと思いますが、車両の室温は25度で管理されています。寝る時に毛布がありますが、それでもちょっと肌寒く感じるレベル。真夏の暑い8月でも、途中下車したクラスノヤルスクは超寒かったです(体感で10度以下)。

車内。夜は寒く、夏は暑い…

(10)大量の水
イルクーツクのコンビニで買いましょう。1人あたり5リットル×2つ、500ミリリットル1つが目安。飲み水だけでなく、歯を磨いたり髪を洗ったりに使います。どこで髪を洗うか?トイレに決まっているだろ!!(なので朝の時間帯はトイレがちょっと良い匂いします)

垂れ流し式

(11)飯盒
お湯は完備されているので、食事は基本カップラーメンになりがち。でも、食事のバリエーションは広げておきたいところ。飯盒の中にお湯を溜めて、そこにレトルトカレーを入れるなどの工夫をすると良いかも。

こういう機械からお湯が出ます

(12)登山用ナイフ
イルクーツクのコンビニでハムを買ったのですが、叶姉妹か!ってぐらいビッグサイズが殆どだったので切り分けるようナイフはあった方が良いかも。ただ、無闇に机の上に置かないように。

(13)日本人が見て恥ずかしいと感じるぐらいの日本人っぽいもの
お酒なら富士山が描かれている、お菓子なら抹茶味、調味料ならワサビ、ポーズならかめはめ波。とにかく日本人っぽい物を持っていくと良いかも。ロシア人から見れば恐らく初めて身近で見かけたヤポンスキーなので、あげると喜ばれます。ただし車両内調査結果で5人中全員が日本酒に顔を顰めました。ロシア人アルコール苦手になっている説を水曜日のダウンタウンで検証して欲しい。

日本酒が全く駄目だった同じ客室に乗り合わせたロシア人

(14)指差し翻訳書
前述の通り、英語ですら通じません。なので、なんとかなるだろうと思っても何ともならないのがロシアです。指差し翻訳書があると便利です。あるいは翻訳辞書をダウンロードしたGoogle翻訳。あるいは身振り手振り。

(15)乗り物酔いの薬
シベリア鉄道ですが、夜行バスぐらいの揺れです。乗り物酔いが酷い私でも、おっ横揺れするな〜とは感じつつ、吐き気を催す程度ではありませんでした。それでもきになる人は乗り物酔いの薬を持参しても良いかもしれません。

ロシアで気付いたメタ認知の大切さ

ちょっと小難しい本を持っていった方が集中できると考えて、ハンナ・アーレントや石田梅岩、四書五経を持ち込んで、読んでは車窓を眺め、読んでは車窓を眺め、を繰り返します。

これがリアル世界の車窓から

個室のドアは開けているので、3歳児ほどの子供がオモチャの人形を手に遊んでいる声がよく聞こえますが、何言っているか分からないので全く気になりません。

車窓を眺めていると、普段全く気にも留めない景色が引っ掛かるようになってきます。

例えば根元から折れている木。思わずカメラに納めましたが、見た感じでは養分が足りなかったのか根元から腐っているように見えます。

根元からイッチャッテル!

冬の寒い時季はマイナス30度、夏の暑い時季はプラス30度、そんな悪環境だったら、私なんか直ぐに成長を諦めてポキッと折れそうです。

それでも、その木の周りには背筋を伸ばして真っ直ぐに育っている木々がある。きっと松下幸之助さんなんか見たら「まずは育とうと思う心が大事だ」とか言い出しそうです。

その時、ふと思ったのです。なぜ、私は倒れている木を見て自分に置き直して、さらに言えば松下幸之助をイメージしたのでしょう。
遠いロシアに、わが祖国の偉人なんて何ひとつ関係無いというのに。

そもそもアウトプットを定義するのが「思考」なら、「思考」を生み出すのはインプット(環境など含む全ての情報)だと私は考えています。

私の頭の中には松下幸之助館で見た情報や本で知ったエピソードを通じて、「松下幸之助あるある」が蓄積されています。DEENの「瞳そらさないで」に乗せて歌えます。

ロシアの倒れた木というインプットに対して、松下幸之助が出てくるのは、私が普段からそういう思考をしているからなのでしょうか。

右端。折れているというか強烈に撓っている?

 
いや、おそらく違います。

多くの人は何か起きてから考えているのではなく、既に考えている思考の結果を準備しているだけではないでしょうか。
何かインプットがあれば、準備された「思考」に沿ってアウトプットしているだけだと思うのです。

それが「ファスト&スロー」で言うところの「システム1」(ファストな思考=直感)なのではないか?と思うのです。

では、どのようにして「用意された思考」の結果は誕生するのでしょうか。

それはインプットされた情報をろ過し、抽象化し、記憶に保存する際、その他の情報と紐付くことで新たな情報として保存しているからではないでしょうか。

もしこの考えが1つの仮説として成り立つなら、インプットは多ければ多い方が良いということになります。

情報量が多いほど、それらの情報は汎化してその他の情報と紐付き、新たな情報として誕生し、用意された思考の結果となるのですから。

良質なアウトプットをするためには、まずは量。量を重ねれば、その他の情報との結合回数は指数的に増えて、やがて自分独自の知識も誕生する。もしかしてそれが「質」ではないだろうか。

駅で降りて食べたピロシキを頬張りながら、ふと思ったのです。

ハッ!となっています

 
これは本だけと限りません。人との出会いもそうだと思います。

2017年9月に本を出すキッカケは、2016年7月にInnovation EGGで開催された『可視化・課題と支える技術』がお題の勉強会に参加したことです。

データサイエンスの手法を色々紹介して、その内容を面白いと思ってくれた技術評論社のTさんと名刺交換をしたことが始まりです。

そこから1年かけて、ようやく1冊の本が仕上がりました。

それを遡ると、普段は勉強会なんて行かないけどなんとなくOKだしたこととか、色んな偶然が積み重なって、そこで生まれたシナプスが現在の自分を作ってくれているわけです。

全ての偶然は今を生きる必然。そんな気付きを得られたシベリア鉄道でした。

社会人になって5年くらいは年間120冊をキープしていたのですが、30歳を過ぎてからガクンと量が落ちたので、改めて読書量を増やしたいと思った松本でした。

さいごに

株式会社ロックオンには9日間強制休暇をとる「山ごもり休暇」という制度があります。

よくよく考えれば、有給を使ったり長期休暇をとるのはいわゆる働く人の権利ですから、制度化せずとも休もうとすれば休めます。
しかし、なかなか休めないと思ってしまう人もいるかもしれません。

うちの会社がえらいなーと思うのは、休む人は勝手に休めば良いし、仕事に追われて休めない人は制度化して休ませようとした点です。
ルールだったら…ということで、みなリフレッシュして過ごしております。

そんな素敵な我が社にはロシア語でСПАСИБО(ありがとう)と言いたいですね。

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